砂風呂屋 孳 -ふゆる- : 良いサービスを維持継続するって難しいと思った話

砂風呂屋 孳(ふゆる)という熊谷の砂風呂屋さんがとってもイイ!という投稿をしたのが2014年4月のこと
最近になってこの投稿のアクセスがジワジワ伸びてきたので何でだろうと考えたのだが、お店のホームページが行方不明になって「じゃらん」ぐらいしか情報がなく、後は口コミや体験記事ばかり…ということでそのひとつとして読まれていると理解。

自分で上記の投稿を3年ぶりに読み返して「昔は良かったのにねえ」という感想しか出てこない。
この投稿後も毎月のように通っていたのだけれどいつの頃からか足が遠のき始め、すっかり行く気がしなくなってしまった。

このお店にはきっと二度と行かない。

--引用ここから--
砂風呂初体験だったが、終わった後のスッキリ感と、至れり尽くせりの癒し環境にはまり、1年間で10回以上も通ってしまった。
--引用ここまで--

決して飽きたと言うことではなく、ファンになった理由である「終わった後のスッキリ感」「至れり尽くせりの癒し」が感じられなくなったのが足が遠のいたその理由。
お店が軌道に乗り始めるとともに少しずつ増えていったスタッフさんが、急に減った頃から少しずつお店の雰囲気が変わってしまい、いつの間にかなんだかこちらがお店に気を使わなくてはならなくなった。
経営が厳しいのか少ないスタッフでお店を無理に回転させているせいで対応もおざなりになり、至れり尽くせりどころかむしろ放置プレイ。
汗をかいて喉が渇いてお茶のおかわりを頼もうと、スタッフさんに声をかけようにも誰も居ないのがあたりまえ。
汗は以前と変わらずにたくさんかくのだけれど、ただ汗だくになるだけで終わってもスッキリしないし、むしろ翌日に残る疲れが出る。多分軽い脱水症状を毎回起こしていたんだと思う。

--再び引用ここから--
小さな個人経営の施設だが、だからこそビジネスだけ考えているのではなくて、本当にいい物を提供しようというのが伝わってくるし、応援したくなる。
完全予約制で、他のお客さんとできるだけ接触することがないように配慮されているからこそ、余計な気を使わずにリラックスできるというのもある。
--引用ここまで--

上記の投稿をした頃は開業2年目で「いいものを提供しよう」という気構えがあったのかもしれないが、時間が経過するにつれてそうも言っていられなくなったのであろう。
採算度外視したらお店は続いていかないし、そうなると固定費である人件費を削らざるを得ないのは理解できなくもない。
でも、その結果として馴染みの客から「手抜きされてるな」と思われてしまったとしたら。
それは不満として残ってしまうはず。

何度も通って顔見知りになっているお客様に対して、他のお客様の悪口やスタッフの働きに対する愚痴を漏らすというのはどうなんだろうか。
リラックスするどころか心配して余計に疲れてしまう。

お客様第一主義とかCustomer Satisfactionとか大企業ではよく言われるけど、個人経営の店ではそういうことを考えるのは難しいんだろうなあ、とも感じた。
お店側では、開業当時と変わらぬ精神で変わらぬサービスを提供しているつもりなのかもしれないけれど、5年も経てばスタッフも入れ替わり、接客に関する慣れや顧客に対する甘えが生まれ、知らず知らずのうちにサービスの内容は悪い方へと変わっていくのだろう。
常にサービスの改善と品質の向上を心がけていなければ、いつの間にか自然とサービスレベルは下がり、客の心は離れて行ってしまう。
安定収入につながる固定客をつなぎ止めるために必要なこととは何か、深く考えてしまった。


--
砂風呂屋 孳 -ふゆる-

コメント